用語集
2次サンプリング (quadratic resampling)
コンピューターで生成する疑似乱数のモーメントを指定した値に一致させる方法の1つ。
まず目的の個数分の乱数を生成してから、乱数系列全体の統計量を計算し、その分の補正を加える手法のことです。対称変量法では除去できない2次モーメントの調整が可能です。通常、対称変量法と組み合わせて使います。
なお、本プログラムで用いている2次サンプリングの手法は基本的には1990年当時のノウハウにて実装したものです。一部の市場参加者が使用する2次サンプリングに関する最近の成果には、より高次の偶数次モーメントを一致させる手法もあります。
Box-Muller 法(極座標法)
一様乱数を正規乱数に変換する手法の1つです。1つの乱数系列が対象である限りこの手法を使っても問題はありません。
2つの独立な一様乱数 、 を生成し、そこから
として2つの乱数 、 を生成します。この2つの乱数はそれぞれ、の正規分布に従います。
c.d.f.
Cumulative distribution function(累積分布関数) の略。累積分布関数参照
Excelの配列数式
Excelでは配列数式を使って複数の計算を行い、複数の結果を一度に返すことができます。配列数式を入力するには、最初に出力範囲のセルを指定し、数式を入力、入力が終わったらCtrl キーと Shift キーを押しながら Enter キーを押します。配列数式の詳細については、Excelのヘルプ (タイトル名:配列数式とその入力方法について)やMicrosoftのページ (配列数式のガイドラインと例)をご覧下さい。 どうして複数のセルに数式をコピーすると全部同じ結果になるの?
Leptokurtic
Leptokurtic とは、分布の裾が正規分布に比べて厚いこと、つまり尖度が正である分布のことをいいます。急尖的ともいいます。 正規分布に従うとすると決して起き得ないような小さい確率であるような事象が実際には起きてしまう --- こういった場合は正規分布に替えて、Leptokurtic な分布(例えばロジスティック分布やジョンソン SU 分布)を仮定することがモデル改善の一案となります。
Mersenne Twister 法
超長周期( と高次元均等性(を備えた、現在最高の一様乱数生成アルゴリズム。詳しくは Mersenne Twiser のホームページをご覧ください。
Mesokurtic
Mesokurtic とは尖度が 0 である分布のことをいいます。正規分布がその代表です。中尖的ともいいます。
Moroの方法
正規分布の累積分布関数の逆関数の近似法。この近似式によって、正規乱数を逆関数法で生成できるようになります。Box-Muller法より幾分複雑になるが、Moroの方法による近似式を用いた逆関数法を使うべきです。 Moroの方法は、なる入力に対して、として、
- の場合
- の場合
と計算される。ここで、各式中にあらわれる係数は以下の通り。
0 | 0.3374754822726147 | ||
1 | 2.50662823884 | -8.47351093090 | 0.9761690190917186 |
2 | -18.61500062529 | 23.08336743743 | 0.1607979714918209 |
3 | 41.39119773534 | -21.06224101826 | 0.0276438810333863 |
4 | -25.44106049637 | 3.13082909833 | 0.0038405729373609 |
5 | 0.0003951896511919 | ||
6 | 0.0000321767881768 | ||
7 | 0.0000002888167364 | ||
8 | 0.0000003960315187 |
B. Moro: "The Full Monte", Risk, Vol. 8 (Feb.), pp. 57-58 (1995).
Platykurtic
Platykurticとは、分布の裾が正規分布に比べて薄いこと、つまり尖度が負である分布のことです。緩尖的ともいいます。
p.d.f.
Probability density function(確率密度関数)の略。確率密度関数参照。
p.m.f.
Probability mass function(確率質量関数)の略。確率質量関数参照。
一様乱数
一様分布(離散) または 一様分布(連続) に従う乱数のこと。 NTRAND 関数は の区間に一様に分布する事実上連続な関数を生成します。 正確には出力範囲は
で、隣り合う数字の間隔は となります 。
一様乱数から正規乱数への変換
シミュレーションの中心となる正規乱数を一様乱数から生成する方法をNtRand ではBox-Muller 法とparagraph の方法から選択可能です。
オイラーの定数
次式で定義される定数。驚くべきことに、この定数が有理数か無理数かもわかっていません。
確率質量関数
離散的な確率変数が整数 をとる確率を表す関数。
離散確率分布の累積分布関数は、確率質量関数の和になります。
この関数は、連続型の分布における確率密度関数に相当します。
確率密度関数
確率変数が から微小な間隔の間の値をとる確率が で与えられるとき、この関数 を確率密度関数といいます。 確率密度関数は以下の特徴を備えます。
- 常に正
- 確率密度関数とx軸、そしてy軸に平行な直線 x=a と x=b で囲まれる部分の面積は、確率変数が x=a から x=b までの間の値を取る確率を表します。
- 確率密度関数下の全面積は1
- 確率密度関数は、中央値(median)、最頻値(mode)、平均、標準偏差、歪度、尖度などといった量で特徴づけられます。
よくある勘違いは、 そのものが確率変数が をとる確率だ,とすることです。連続分布の確率変数が特定の値